辻 元 大 雲
〈釈文〉清恬 12.8×22.2㎝
〈作家言〉南史の語。おだやかにきよくしずかなること。
語意を考慮し、しっとり落ち着く表現とした。
騒然たる世情の治まることを念じつつ。
中 林 蕗 風
〈釈文〉晩翠(ばんすい)16.4×24.2㎝
〈作家言〉老年になっても節操の変わらぬ譬え
中 村 雲 龍
〈釈文〉麟鳳龜龍 16.5×23.9㎝
〈作家言〉のどかで平和な世界で遊んでみたくなってコロナ禍の世をさけて
仲 川 恭 司
〈釈文〉薫
長 井 蒼 之
〈釈文〉澄懐 「懐(かい)を澄(す)ます」17.5×24㎝
おもひをいさぎよくす。 (清 金暁詩語句)
〈作家言〉字句に思いをよせより高い格調ある書を目途した。
楢 崎 華 祥
〈釈文〉うすものの蛍を透す蛍かな (泉鏡花の句)25×18㎝
〈作家言〉鏡花の幻想的な句に魅せられて筆をとりました。はかなく美しい夏の夜のまぼろし・・・。
日 比 野 博 鳳
〈釈文〉月船 ほ(本)しのは(者)やしに(尓)こぎ(支)かくるみ(三)ゆ 22×16.3㎝
〈作家言〉万葉集巻七の「天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ」(1068)という壮大なイメージの歌を清らかな秋の夜の感覚でアレンジしてみた。
星 弘 道
〈釈文〉生かされていると
感じられれば
福きたる 16×19.3㎝
真 神 巍 堂
〈釈文〉霊機 16.7×23㎝
(霊妙なる機用の義。自由自在のはたらき。従容録にみゆ。)
室 井 玄 聳
〈釈文〉きようはいいてんき
だれかとはなしを
したくなる(くどうなおこ詩)17.2×27.2㎝
〈作家言〉あったかくはなしかけるように。
和 中 簡 堂
〈釈文〉白文 宜有慶(白居易)3×2㎝
朱文 處和(福恵全書)5×5㎝
〈作家言〉出典が確かな語句を摘出することを心掛けているが、
朱文「處和」和に処すなどは、
『易林』『荘子』をもととする記述もある。
出来る限り原点にあたり、いい語句を求めるようにしている。
渡 辺 墨 仙
〈釈文〉ながらふる月の光にてらされし
わがあしもとの秋くさの花(斎藤茂吉)24.8×18㎝
〈作家言〉料紙の色調に合わせて秋の情景を表現した。
終